「明日、ピクニックに行くよ」から始まった非日常
「明日、ピクニック行くよ」
モロッコの友達から、そんな軽い一言。後から知ったけど、モロッコ人はピクニックが大好き。
え、ピクニック?
モロッコで?どこに?何するの?ごはんって…サンドイッチとか?
想像はふくらむけど、ヒントはほぼゼロ。
しかも当日、車で向かう途中で寄った市場で突然こう言われた。
「鳥、買うよ」
……え?
「鶏一羽」から始まるピクニックってなに⁉
鳥をまるごと買うスタイル、ありですか?
市場の小さな鶏肉屋さんで、鶏を一羽、さばいてもらう友達。
私はといえば、キョロキョロしながら「これ、本当にピクニック…だよね?」って何度も心の中で確認してた(笑)
それから、近くの店でパン、ハーブ、レモン、ミネラルウォーターを買い足し。
これ全部で1000円くらいって、コスパよすぎるんだけど!?
そして車でどこまでも走る…。アスファルトの道路からちょっと外れた土道を進んで、たどり着いたのは――
大地。とにかく、大地。
道路からは見えない穴場感、Googleマップにも載ってないような広がる景色。



現地調達した食材で、本気のアウトドア飯
さっそく火を起こす友達。
炭は車に積んであるし、薪はそこら辺に落ちててる木、手際がプロすぎてかっこいい。
鶏肉にスパイスをまぶして、レモン絞って、ジュウジュウ焼いていく音と香り…。
えっ、こんなの、もう「ピクニック」って呼んでいいの?
アウトドアグルメとか、キャンプ飯とか、そういう次元じゃない?
風が気持ちいい。空が広すぎる。
焼けてくる鶏、ちょっと焦げ目がついて、香ばしさがすごい…。
そして、横に置かれたミントティーセット。
ポットで、友達が手際よくお茶を淹れてくれる。
こういうのを「非日常」っていうんだろうなって、思った。

ミントティーとチキンで、美味しいランチ
焼きたてチキン。
ほんとにおいしくて、ほろほろで、レモンが効いてて。
ふたりで無言になって、むしゃむしゃ食べた。
そして、ミントティー。
どこで飲んでもおいしいんだけど、この空気の中で飲むと…格別。
なんなら、空気がもう美味しい。

特別なことなんて何もしてない。ただ、焼いて、食べて、お茶飲んでるだけ。
でも、風とか光とか、全部がぴったりハマってて。
たぶん、あれが「幸せのかたち」だったんだと思う。
ことばが足りないくらい、胸がいっぱい
「ありがとう」と「すごい」「感動した」しか言葉が出てこない自分に、もどかしくなるくらい。
語彙力がぜんぶふっとんで、
「もっと伝えたいのに〜〜!」って思いながら、おかわりのミントティー飲んでた(笑)
…焼き上がったチキンはもちろん絶品。二人でぺろりと完食。ミントティーのおかわりは止まらない。
そういえば、別の日にモロッコ人の友達が家族でピクニックに行った動画を見せてくれたんだけど、そのときパンを砂の中に埋めて焼いてたの!
「えっ、まさかのパン焼き⁉」って思ったら、サハラの方では砂で焼く“砂パン”(Berber bread)が伝統的なスタイルなんだって。
熱された砂の中でじっくり火を通して、外はパリッ、中はふわふわ。香ばしい匂いが動画越しに漂ってきそうなくらいだった…!
パンを砂で焼くなんて、日本じゃなかなか見られない体験だよね。いつか私も体験したい!
こういう日常の延長にある“非日常”、本当にモロッコって奥深い。
まとめ:また行きたい。鶏ごと‼
何もしない時間が、ただただ流れていく。
でも、その「何もしない」が、すっごく豊かに感じた1日だった。
大地の真ん中で、鶏を焼いて、風にふかれて、お茶を飲む――
そんなシンプルなことが、胸をいっぱいにするなんて。
モロッコで過ごす日常は、こんな風に、
ふいに宝物みたいな思い出をくれる。
「また行きたい」って何回も思った。
そして、そのときも絶対また鶏をまるごと持っていきたい(笑)
旅の醍醐味って、観光地じゃなくて、
こういう”ふとした日常”にあるのかもしれない。
もしモロッコで誰かに「ピクニック行く?」って聞かれたら、
ぜひ全力で「YES!」って答えてみて。
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