「明日、ピクニックに行くよ」
モロッコ人の友人から、突然そんなことを言われました。
ピクニックといえば、お弁当やサンドイッチを持って公園へ出かけるイメージ。モロッコではどんなピクニックをするのか、まったく想像がつきませんでした。
しかも当日、車で目的地へ向かう途中、市場に立ち寄った友人から思いがけない一言が。
「鶏を一羽買うよ」
……え、鶏を一羽?(笑)
どうやら私が想像していたピクニックとは、ずいぶん違うようです。
今回は、モロッコの広大な大地でチキンを焼き、ミントティーを飲んで過ごした、忘れられない一日を紹介します。
鶏をまるごと買うスタイル、ありですか?
市場の小さな鶏肉屋さんで、友人が鶏を一羽購入し、その場でさばいてもらいました。
日本でピクニックといえば、お弁当やサンドイッチを持って出かけるイメージだったので、まさか鶏を一羽買うところから始まるとは思いませんでした(笑)。
その後、近くのお店でパンやハーブ、レモン、ミネラルウォーターを購入。食材は全部で1,500円ほどだったと思います。
買い物を終えると、再び車に乗って出発。
しばらく走ったところでアスファルトの道路を外れ、舗装されていない土道へ入っていきました。
そして、たどり着いたのは、どこまでも広がる乾いた大地。
周囲には建物もなく、遠くには岩山が見えます。観光地とはまったく違う、静かな景色が広がっていました。
こんな場所でピクニックをするなんて、想像もしていませんでした。



現地調達した食材で、本気のアウトドア飯
目的地に着くと、友人はさっそく火を起こし始めました。
炭は車に積んであり、薪は周囲に落ちている木を集めて調達。慣れた手つきで準備を進めていく姿を見て、思わず感心してしまいました。
市場で買った鶏肉にスパイスをまぶし、レモンを絞って、炭火でじっくり焼いていきます。
ジュウジュウと焼ける音に、スパイスと鶏肉の香ばしい匂い。
周囲には建物もなく、聞こえてくるのは風の音と、肉が焼ける音くらいです。
そして、鶏肉の横にはミントティーのポット。
友人は火の様子を見ながら、手際よくお茶の準備もしてくれました。
広い空の下で、チキンが焼き上がるのをのんびり待つ時間。
日本で想像していたピクニックとはまったく違いましたが、こんな過ごし方もあるんだなと、すっかり楽しくなっていました。

ミントティーとチキンで、美味しいランチ
焼き上がったチキンをお皿に盛り付け、持ってきた絨毯を広げたら、いよいよランチの時間です。

レジャーシートではなく、絨毯を敷いて食事をするというのも、私にとっては新鮮でした。
炭火で焼いたチキンは香ばしく、レモンの風味が効いていて、驚くほど美味しい。
友人と二人で夢中になって食べているうちに、あっという間に完食してしまいました(笑)。
食後は、淹れてもらったミントティーを飲みながら、のんびりと過ごしました。
目の前には、どこまでも広がる大地。風が心地よく、時間がゆっくり流れているように感じます。
特別な観光地に来たわけでも、高級な料理を食べているわけでもありません。
ただ、大地の真ん中でチキンを焼いて、お茶を飲んでいるだけ。
それなのに、不思議なくらい満たされた気持ちになりました。
友人には何度も「ありがとう」と伝えましたが、言葉だけでは足りない気がして、少しもどかしかったのを覚えています。
モロッコで過ごした時間の中でも、忘れられない思い出のひとつです。
ちなみに、トイレは青空でした(笑)
この日のピクニックには、もうひとつ忘れられない出来事があります。
友人に「トイレに行きたい?」と聞かれたので、「うん」と答えると、返ってきたのは思いがけない一言。
「どこでもどうぞ!(笑)」
……どこでもって、ここで!?(笑)
見渡す限りの大地。当然ながら、近くにトイレなんてありません。
結局、少し離れた場所に茂みを見つけて、そこで用を足すことになりました。
広い空の下でチキンを焼いて、ミントティーを飲んで、トイレまで大自然の中。
何から何まで、私の想像していたピクニックとは違う一日でした(笑)。
まとめ|また行きたい。鶏ごと!(笑)
市場で鶏を一羽買うところから始まった、モロッコでのピクニック。
広い大地で火を起こし、焼きたてのチキンを食べて、ミントティーを飲む。トイレまで大自然の中という、予想外の体験もありました(笑)。
特別な観光地を訪れたわけではありません。それでも、あの日の景色や風の心地よさ、友人が焼いてくれたチキンの味は、今でもよく覚えています。
実は、私があまりにも感動していたからか、友人はこの滞在中にもう一度ピクニックを企画してくれました。
メイン料理は鶏肉ではなくお魚。
前日に魚を多めに買っていたので不思議に思っていたのですが、まさか翌日のピクニック用だったとは(笑)。
こうして、モロッコでの忘れられない思い出が、もうひとつ増えました。
何気ない一日が、こんなにも大切な思い出になる。モロッコで過ごしていると、そんな瞬間に出会うことがあります。
またいつか、あの広い大地でピクニックができたらいいなと思います。
次は鶏肉か、お魚か。それとも、まったく別の料理が登場するのでしょうか。
今からちょっと楽しみです(笑)。
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