「モロッコ人=しつこい」って本当?
モロッコ旅行を調べると「客引きがしつこい」「断ってもついてくる」「世界三大うざい国」なんて声をよく目にします。実際に行ってみると、モロッコ人はとてもフレンドリーで明るい国民性。でも、日本人からすると”押し”が強すぎて「どう断ればいいの?」と戸惑う場面も多いんです。
私自身もスーク(市場)やタクシー、レストランなどで「ちょっと困ったな」という体験がありました。この記事では実際の体験談+具体的な対処法をまとめたので、これからモロッコへ行く人の参考になればうれしいです。
スーク編|客引きは笑顔でごまかすと逆効果!
マラケシュやフェズのスークでは、絨毯屋・ランプ屋・スパイス屋の呼び込みがとにかくすごい!「ジャパン?コンニチワ!」と声をかけられ、つい笑顔で返してしまうと…そこから延々と粘られるのが定番です。
実際の体験談
スークを歩いていると、店先に立つ男性から「ジャパニーズ?こっち見てくだけ!」と声をかけられました。最初は軽く手を振って通り過ぎようとしたのですが、その笑顔の対応が「興味あり」と受け取られてしまい、約10分間ずっとついてこられることに…。
最終的には店まで連れて行かれて、お茶まで出されてしまいました。断り続けましたが「友達価格にするから!」「今日だけスペシャル!」の連続攻撃。結局何も買わずに店を出ましたが、かなり気まずい雰囲気でした。
対処法
NGな対応
- 笑顔でごまかす(ニコニコは「まだ可能性あり」と受け取られる)
- 曖昧な返事をする
- 立ち止まって話を聞く
効果的な対応
- はっきり「ノー、サンキュー」と言いながら歩き続ける
- 視線を合わせない
- 興味がある場合だけ、自分から立ち止まって交渉する
使える断り文句:
- 「ラ、シュクラン」(アラビア語:いいえ、ありがとう)
- 「ノン、メルシー」(フランス語:いいえ、ありがとう)
- 「Not interested」(英語:興味ありません)
タクシー編|値段は必ず「乗る前」に!
観光地では、メーターを使わずに「いくらでもいいよ」と言うタクシーが多いです。あとで法外な金額を請求されるケースも。
実際の体験談
マラケシュでタクシーに乗った時、運転手が「メーター壊れてるから、着いてから払ってくれればいいよ」と言われました。距離的には20-30ディルハムくらいの場所だったのですが、到着後に「100ディルハムです」と請求されてびっくり。
結局50ディルハムで交渉成立しましたが、最初に値段を決めておくべきだったと反省しました。
対処法
乗る前に必ずやること
- 行き先を告げて料金を確認
- メーターが動くかチェック
- 相場をざっくり調べておく
交渉のポイント
- 高いと思ったら遠慮なく別のタクシーを探す
- 「メーター使って」とお願いしてみる
- 複数のタクシーで値段を聞き比べる
マラケシュのタクシー料金目安
マラケシュで旅行者がよく使うのが、空港からのタクシーと市内のプチタクシー。料金は交渉制が多いけれど、実際の目安金額を知っておくと安心です。
空港 → 市内中心部
- 公式料金:90〜150ディルハム(昼夜で差はあるけれど、だいたいこの範囲が目安)
- 観光客には150ディルハムと言われることも多いので、100〜120ディルハムくらいで交渉すると◎
市内移動(プチタクシー)
- 基本はメーター制(初乗り7ディルハム+距離)
- 近距離:20〜30ディルハム程度
- 長めの移動:40〜50ディルハム程度
- 「50ディルハム以上」と言われたら、ちょっと高め。軽く交渉してOK
旅行者へのアドバイス
- 乗車前に必ず金額を確認すること
- できれば「メーターで」と伝える(”Avec le compteur, s’il vous plaît.”)
- 深夜や大荷物のときは割増になる場合もあるので、少し多めを見積もっておくと安心
- 一部サイトでは「70〜100MAD」とも書いてあるけど、それはだいたい交渉ベース
自称ガイド編|公式IDがない人には注意
街中や遺跡で「案内してあげるよ!」とついてくる”自称ガイド”。途中までは親切そうですが、最後に高額なチップを請求されることも…。
公式ガイドと自称ガイドの見分け方
公式ガイドの特徴
- 顔写真・名前・登録番号入りのIDカードを首から下げている
- 観光省が認定したライセンスを持つ
- 料金体系が明確
❌ 自称ガイドの特徴
- IDカードを持っていない
- 「友達だから無料」「あとでチップだけ」と言う
- 勝手についてきて後から料金請求
実際の体験談
フェズの旧市街を歩いていた時、「迷子にならないように案内するよ!友達だからタダでいいよ」と声をかけられました。最初は断ったのですが、しつこくついてきて、結局30分ほど一緒に歩くことに。
最後になって「ガイド料として200ディルハム払って」と言われ、トラブルになりそうに。周りの人に助けを求めて、最終的には50ディルハム渡して解決しましたが、とても嫌な思いをしました。
対処法
予防策
- 公式IDカードを必ず確認する
- 不要なら「ノー」と即答(ここでも笑顔は不要!)
- 一人で歩かず、できるだけグループで行動
ついてこられた場合
- 無視して歩き続ける
- 近くのホテルや店に逃げ込む
- 「ポリス」と大きな声で叫ぶ
レストラン呼び込み編|フナ広場の食堂は要注意
ジャマ・エル・フナ広場などでは、食堂のスタッフが積極的に呼び込みをしています。「座るだけで注文扱いされた」「メニューと違う料金を請求された」なんて話も。
実際の体験談
フナ広場の夜の屋台で、客引きの人に誘われて席に座りました。メニューを見てタジンを注文したのですが、いざ会計の時に「サービス料」「テーブル料」などが追加されて、予想より高額に。
メニューには載っていない料金だったのですが、「これがモロッコのシステム」と言われて、結局そのまま支払いました。
対処法
入店前にチェック
- 席に座る前にメニューと値段を確認
- 追加料金(サービス料など)の有無を確認
- 迷ったらGoogleマップのレビューを活用
呼び込み対策
- 入りたい店があるときは視線を合わせない
- 「もう食事は済んでます」と断る
- 「友達を待ってます」と言って立ち去る
おすすめの店選び
- 地元の人で賑わっている店
- 値段が明確に表示されている店
- ホテルスタッフおすすめの店
写真撮影編|「撮ったらお金」が基本ルール
蛇使いや猿を肩に乗せるパフォーマンスは観光名物。でも一枚撮るだけで高額請求されることもあります。
実際の体験談
フナ広場で蛇使いのパフォーマンスを見ていたら、「写真撮るか?」と声をかけられました。興味本位で一枚撮らせてもらったところ、「50ディルハム」と請求が。
断ったら他の仲間も集まってきて、囲まれるような状況に。最終的には20ディルハム支払って解決しましたが、かなり怖い思いをしました。
対処法
予防策
- 興味がなければ近づかない
- カメラを出さない
- 撮る場合は必ず事前に料金確認
トラブル回避
- 一人で行動しない
- 周りに人がいる明るい場所で
- 断る時ははっきりと「ノー」
お土産屋・モール編|「お茶どうぞ」に要注意
「お茶を飲んでいって」がモロッコ流おもてなしですが、実際は買わせるためのきっかけになることも。一度座ると断りにくい雰囲気になりがちです。
実際の体験談
スークの絨毯屋で、店主が「疲れただろう、お茶でも飲んでいきなさい」と親切に声をかけてくれました。せっかくの好意だからと思ってお茶をいただいたのですが、その後1時間ほど絨毯の説明を延々と聞かされることに。
「買わない」と言っても「お茶代だけでも」「友達価格にするから」と粘られて、結局小さなクッションを購入することになりました。
対処法
お茶を断るとき
- 「時間がないので」とはっきり断る
- 「お腹いっぱいです」「アレルギーがあるので」という理由
- 一度座ったら長時間拘束される覚悟を
買い物のコツ
- 最初から「見るだけ」と宣言
- 本当に欲しいもの以外は買わない意志を貫く
- 複数店舗を回って比較検討
番外編|親切なモロッコ人もたくさんいます
ここまで注意すべき体験談を書きましたが、モロッコには本当に親切な人もたくさんいます。
心温まる体験談
道に迷った時: マラケシュで道に迷っていたら、お店の人が地図を見ながら丁寧に道順を教えてくれました。お礼を言おうとしたら「困った時はお互い様」と笑顔で見送ってくれました。
重い荷物を運んでくれた時: 階段の多いフェズで重いスーツケースに困っていたら、通りがかりの男性が「手伝うよ」と声をかけて、ホテルまで運んでくれました。チップを渡そうとしても「いらないよ」と断られました。
言葉が通じない時: レストランでメニューが読めず困っていたら、隣のテーブルの家族が英語で料理の説明をしてくれました。おすすめの料理も教えてもらい、とても美味しい食事ができました。
まとめ|笑顔の曖昧返事より「ノー」をはっきり
モロッコ人はとても人懐っこくて、観光客に声をかけるのも文化の一部。でも、日本人がやりがちな”曖昧な笑顔”は逆に「まだ可能性がある」と思われてしまいます。
覚えておきたい3つのルール
- 断るときは笑顔なしの「ノー」
- 歩き続ける
- 必要なときだけ立ち停まる
場所別対処法まとめ
場所 | 注意点 | 対処法 |
---|---|---|
スーク | 笑顔厳禁 | はっきり断って歩き続ける |
タクシー | 料金事前確認 | メーター使用orしっかり交渉 |
自称ガイド | ID確認必須 | 公式バッジなしは断る |
レストラン | 追加料金注意 | 入店前に料金確認 |
写真撮影 | 事前料金確認 | 撮る前に必ず値段を聞く |
お土産屋 | お茶=長時間拘束 | 時間がない理由で断る |
この対処法を知っておけば、しつこい勧誘も怖くありません。フレンドリーな文化を楽しみながら、自分のペースでモロッコを満喫してください!
モロッコは本当に魅力的な国です。少しの知識と心構えがあれば、きっと素晴らしい旅になりますよ。
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