モロッコは見どころがとにかく多い国。マラケシュやフェズの旧市街、アトラス山脈、さらにはサハラ砂漠…。でも公共交通機関だけで回ろうとすると時間がかかるし、車のチャーターやツアーは割高になりがち。
「それならレンタカーで自由に走ってみようかな?」と思う人もいるかもしれません。
ただし、ちょっと待って。モロッコでの運転は、日本と同じ感覚では通用しない部分が多いんです。
まずは準備から!必要な書類をチェック
絶対に忘れちゃいけない書類たち
モロッコでレンタカーを運転するなら、これらの書類は絶対必要です。
- 国際免許証:モロッコはジュネーブ条約加盟国なので、日本で発行できる国際免許があれば運転可能。
- 日本の運転免許証:国際免許と一緒に携帯する必要あり。国際免許だけじゃダメで、セットで携帯する必要があります。
- パスポート&レンタカー契約書:これ、本当に大事!モロッコは検問がとにかく多いので、いつでもサッと出せるようにしておかないと面倒なことになります。
☆国際免許は日本の運転免許センターで即日発行でき、有効期限は1年。旅行前に早めに準備しておきましょう。
レンタカー選びで気をつけたいこと
安さにつられて適当に選ぶと後で困ることも。保険の内容や車の状態、何かあったときのサポート体制をしっかりチェックしておきましょう。
特に言葉の壁は想像以上に大きいので、日本語サポートはほぼないですが、英語でサポートがあるかは重要なポイントです。
モロッコの運転事情|日本との違いにびっくり
右側通行で左ハンドル
まず基本的なところから。モロッコは右車線・左ハンドルで、日本とは逆です。慣れるまでは違和感があると思います。特に右折のタイミングには注意が必要です。
AT限定免許でもレンタルできる?
車はMT車(マニュアル)が主流で、AT車(オートマ)は数が少ないうえに料金も高め。
都市部のレンタカー会社ではAT車を扱っている場合もありまが、数が限られているため、事前予約必須。
マニュアルに慣れていない方は、日本で事前に練習するか、確実にAT車を予約しておいた方がいいでしょう。
ちなみに、私自身AT限定で、日本でも運転はちょっと怖くて時々しか乗らないので、モロッコでは運転が得意な友達に頼っていました。
市街地はまさにカオス!
マラケシュやフェズの市街地を走ったときの衝撃は今でも忘れられません。車、歩行者、バイク、時には馬車まで、本当にいろんなものが道路にひしめいているんです。
車線変更なんて、日本みたいに「どうぞ」って譲ってもらえることはまずありません。ある程度「えいっ」って勇気を出して入らないと、いつまでも車線変更できないんですよね。
現地の人たちの運転も、日本人から見るとかなり大胆。中央線をはみ出して追い越しなんて日常茶飯事だし、車間距離も日本よりずっと近いです。煽られてるのかな?て最初はびっくりするけれど、これが現地のスタンダードなんだなって感じです。

アトラス山脈越えはスリル満点
アトラス山脈を越える山道は、景色は最高だけど運転する人にとってはかなりハード。崖沿いの急カーブが延々と続くうえ、ガードレールがない場所も結構あるんです。
現地ドライバーはこんな山道でもスピードを出すから、対向車とのすれ違いは本当にドキドキもの。特に大型トラックが来たときなんて、助手席にいても「大丈夫かな…」って心配になりました。
夜の運転は避けた方が無難
都市部を離れると、街灯なんてほとんどありません。月明かりと車のライトだけが頼りの真っ暗な道を走ることになるので、動物の飛び出しや道路の穴なんかも見えにくくて危険です。夜間の運転は本当におすすめしません。
ガソリン事情を知っておこう
都市部なら問題なし、でも地方は要注意
マラケシュやフェズみたいな大きな街では、ガソリンスタンドを探すのに苦労することはありません。でも砂漠方面とか山の奥に行くとなると話は別。
特にサハラ砂漠方面への長距離ドライブなら、出発前に必ず満タンにしておくのが鉄則です。途中でガス欠なんてことになったら、本当に大変ですからね。

給油は基本的にスタッフにお任せ
モロッコのガソリンスタンドは有人式がほとんど。スタッフの人がフランス語やアラビア語で話しかけてくるので、基本的な単語は覚えておくと安心です。
モロッコのガソリン代は日本と大きくは変わらず、むしろやや高いくらい。特に砂漠や地方は輸送コストの関係で少し高いことがあります。
「ガソリン=Essence(エッセンス)」「ディーゼル=Gasoil(ガゾイル)」だけは絶対に間違えないように!燃料を間違えると大変なことになります。
ガソリンスタンドでチップは必要?
- モロッコは基本的に有人給油式で、スタッフが給油してくれる。
- チップは「必須ではない」けど、小銭を数ディルハム渡すと喜ばれる文化。
例:10〜20MAD程度の給油なら 1〜2MAD(15〜30円くらい) - 窓拭きやタイヤ確認までしてくれた時は、少し多めに渡すとスマート。
- ただし「外国人だから多めに」と期待されることもあるので、最初から小銭を持っておくと安心。
検問について|最初はびっくりするけど大丈夫
検問って実際どんな感じ?
モロッコを車で移動していると、町や村の入り口で必ずと言っていいほど検問があります。初めて見たときは「え、何これ?大丈夫?」ってちょっと怖くなりました。
でも心配無用!彼らは正規の警察官(Gendarmerie Royaleっていう憲兵隊やPolice)なんです。ちゃんと制服を着て、白いテントやポリスボックスを設置してるから、すぐにわかりますよ。
実際に検問を通った体験談
車で移動していると何度も検問を通ります。ドキドキしながら車が近づいていくと、警察官の人が手を上げて車を止めるんです。
でも実際に止められて書類チェックされることは一度もありませんでした。近くで他の車が止められているのは何度も見かけたけれど、たいてい書類確認だけでサッと終わってる感じ。
最初はすごく緊張したけれど、慣れてくると「ああ、町の入り口にはいつも警察の人がいるんだな」って思えるようになりました。
スムーズに通るためのコツ
実際は観光客が止められるケースは少なく、手で「進め進め」と合図されてそのまま通過できることがほとんどです。
ただし、ランダムで車を止められることもあります。その場合は…
- 窓を開けて「Bonjour」と挨拶
- 落ち着いた態度でパスポートやレンタカーの書類を提示
- 書類はすぐ出せるようにまとめておくと安心
⇒ 基本はスルー、でも「止められた時に慌てない準備」だけしておけば大丈夫です。
運転のコツとアドバイス
保険は絶対にケチっちゃダメ
「保険は絶対に充実したものに入る」ということ。モロッコでは日本以上に事故のリスクが高いし、何かあったときの費用も高額になる可能性があります。
ちょっと割高でも、安心料だと思って対人・対物無制限の保険と車両盗難保険には必ず入っておいた方がいいです。
緊急時の備えも大切
レンタカー会社の24時間連絡先や日本領事館、現地警察(190番)の連絡先は必ずスマホに登録しておきましょう。
Google Mapsなんかのナビアプリも、オフラインで使えるように事前に地図をダウンロードしておくのがおすすめです。
モロッコ流のコミュニケーション
最初はびっくりしたんですが、モロッコではクラクションって「怒ってる」意味じゃないんです。「ここにいるよ」「追い越すよ」といった軽い合図で使うのが日常。だから頻繁にプープー鳴っていても、気にしなくて大丈夫。
逆に、運転する側も適度にクラクションを使って存在をアピールするのが、現地流の安全運転なんだそうです。
絶対に走ってほしい!感動の絶景ルートTOP3
1位:マラケシュ → ワルザザート(アトラス山脈越え)
これはもう、文句なしに最高のドライブルートです!標高2,000m級の山道を走るんですが、車窓から見える景色がとにかく壮大で、思わず「わあー!」って声が出ちゃいます。
ティシュカ峠を越える道のりはカーブが多くて運転する人は大変ですが、景色は最高!途中で見るベルベル人の集落や、映画『グラディエーター』で有名なアイット・ベン・ハドゥなんかも最高でした。
写真をたくさん撮ったり休憩したりで、結局丸一日のドライブになりました。標高が高いので、季節によっては寒くなることも、雪が降ることもあるから要注意です。
2位:ワルザザート → メルズーガ(サハラ砂漠への道)
ひたすらまっすぐな一本道を走るこのルート、最初は「本当に砂漠に着くのかな?」って心配になるくらい何もない風景が続きます。
でも、だんだん砂漠に近づくにつれて景色が変わっていくのが面白いんです。映画のロケ地みたいな場所や小さな村を通り過ぎながら、「ああ、本当に砂漠に向かってるんだな」って実感できます。
メルズーガの大砂丘が見えたときの感動は言葉にできません!あの瞬間のために長い道のりを走る価値があります。
このルートは特に燃料に注意が必要。ワルザザートで絶対満タンにして、エルフードでももう一度給油しておくことをおすすめします。

3位:マラケシュ → エッサウィラ(海風爽やか海岸線)
内陸の乾燥した空気から一転、海風を感じながら走れるこのルートも最高です。潮の香りと涼しい風に包まれながらのドライブは、本当に気持ちいい!
途中には樹齢何百年ものアルガンの木が広がる森があって、現地の女性たちが手作業でアルガンオイルを作っている工房にも立ち寄れます。
エッサウィラの旧市街は世界遺産にもなってるし、青と白のコントラストがとても美しいメディナの散策も楽しいですよ。

まとめ|ハードルは高いけど、その分得るものも大きい
正直に言うと、モロッコでの運転は日本とは全然違うし、リスクもそれなりにあります。特に夜間の移動や山道なんかは、本当に注意が必要だと思います。
でも、そのハードルを越えた先には、レンタカーでしか行けない場所や、ツアーでは絶対に立ち寄らない小さな村との出会いが待っているんです。現地の人たちとの自然な交流も、自由に移動できるからこそ生まれるもの。ピクニックの穴場にも、車だから行けるところもたくさんあります。
私自身は運転はできないけれど、助手席からでもその魅力は十分に感じることができました。運転に自信がない方も、経験豊富な同行者がいれば大丈夫ですよ。
「危険もあるけれど、その分の自由と感動がある」──それがモロッコのレンタカー旅の醍醐味だと思います。
もしチャレンジするなら、しっかりとした準備と細心の注意を忘れずに、モロッコの雄大な大地を思いっきり楽しんでくださいね!
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